SNEP (18)

 スネップの最大の問題は、
 働くことがますます難しく
 なっていくことです。
 20~59歳の未婚無業者全体では、
 54%は仕事につきたいと思い、
 実際に仕事を探しています。
 非孤立無業になると60%と
 さらに多くの方が求職活動を
 しているのです。
 ところがスネップの場合、ちょうど
 半分の50%しか職探しをしていません。
 なかでも家族型のスネップは、半分弱の
 47%しか、仕事に就こうとして職探しを 
 していないのです。
 そもそもスネップでは、仕事をしたいと
 思っていない人が多いのです。
 就職希望のない人が、非孤立無業では
 17%なのに対し、スネップでは22%であり、
 家族型スネップでは実に25%に達している
 のです。
 SNEP (7)で、働くことを断念しているニートは
 かつてであれば経済的に余裕のある家庭から
 生まれることが多かったのが、最近ではむしろ
 余裕のない家庭が増えてきていると述べました。
 このようにニーとには、「貧困問題」が大きく影を
 落としていました。
 加えて、スネップは、就職活動を断念する傾向が
 強く、そもそも仕事に就く希望を失っていることが
 多いということは、スネップはニートを生み出すもう
 一つの背景となっていることを意味します。つまり
 貧困問題とならんで、「孤立問題」がまちがいなく 
 ニートを生み出しているのです。
 求職活動や就業希望以外に、仕事につくための
 学習・訓練についても、スネップは明らかに消極的
 になっていました。ここでもスネップは、トレーニングの
 部分で、ニートと密接に結びついているのです。
 孤立化の問題を解決しない限り、働くことを諦めた
 無業者の増加に歯止めをかけることは出来ません。
 ちなみに求職活動を断念している無業者の特徴
 としては、スネップが多いことに加えて、40代、50代
 の人が多いことや、高校中退を含む中学卒の人や
 在学したことがないという人も多くなっています。
 またインターネットを利用していない人や、
 自宅に要介護の家族のいる人も求職活動を
 していない傾向が強くなっていました。
 孤立し、インターネットも利用せず、家族の介護で
 たいへんな中高年の人たちは、きわめて仕事に
 就くことが困難な状況にあります。
 
 以前に比べて若年雇用対策は、明らかに充実
 するようになりました。最近議論されている政府の
 新成戦略でも、若年対策は一つの柱となっています。
 
 しかし今や若年対策以外にも、孤立を防ぐための
 新しい就業対策が必要とされているのです。