青草

今朝、
音を立てるくらい
雨の降っていたのが
急速に雲が晴れる。

昼前には、
蝉の声と
草の匂いが
気持ちのよいことに
なっている。

と思ったら
昼過ぎから
急速に
曇り空。
今度は
なんだか
雨の匂いが
してくる。

また雲が
晴れたと思ったら
今度は
天気雨。
そしてまた曇り。

また降った。
また止んだ。

またまた激しく降ってきた。
またまた止んだ。蝉の声。

過多

今、
大学生では
ちょうど
試験期間という場合も
多いかもしれない。

多くの場合、
オンラインで実施の試験だろう。
カンニング対策として
Zoomのビデオをオンにすることで
監督に代えていることもあるという。

これまでオンラインの授業でがんばってきた
大学生もなんとか試験を乗り越えて
少しだけでもゆったりとした夏休みを
迎えてほしいと思う。

それにしてもオンラインでは
指示が得てして過多になりがちな
懸念がどうしてもある。それは
宿題や課題を与える方にとって
受ける方の状況が正確につかみにくいために
むしろ
「まだ足りていないのではないか」
「在宅でできるぶん余裕があるだろう」
とどこかで勝手に思いがちになることが
原因としてあるように思う。

大学の授業の場合、
教員同士で課題の量や質を相互に調整するような
ヨコの連携があることはおそらく珍しいので
(教授会などは教育上の調整の場ではないため)
それぞれの教員が思いのまま課題を出すとなると
学生はたまったものではない。

会社の仕事の場合、
直接の上司は一人であったとしても、
隣接や関連の部署から間接的に仕事の
依頼や打診を受けることもあるだろう。
オンラインの先でそのような状況にあることを
管理職同士で把握できていないと、
頑張ってしまう人、断れない人ほど
多くの仕事を抱え込んでしまうことになる。

状況を変えるためには
「いっぱいです」
「時間がほしい」
「他の状況はこうなっています」
などと、声をあげるしかないのだが、
新入生や新人社員の多くは、
それすらむずかしいだろう。
これまでだと
先輩に相談することになるのだろうが
今回は先輩との面識すら
まだないということもある。

今のところは
教員や上司が
学生や部下の負担状況を
個別に適宜確認しながら
進めていくしかないのかもしれない。

オンラインの講義や仕事は
これからも一定程度進んでいくだろうが
宿題や業務が過多にも過小にもならない
程合いをどうみつけていくかが、
本当の意味での課題だろう。

宿泊

総務省統計局「労働力調査」
によると、
宿泊業で働く人たちは
日本全国で
62万人にのぼる。

その数は
ちょうど
国家公務員として
働く人々と同じ。

宿泊業62万人のうち、
23万人が
5月末には休業し、
コロナ禍が過ぎ去るのを
待って耐えていた。

就業者に占める
休業者の割合は
37%と、
他の産業に比べて
突出して高いものとなっている。

休業者のみならず
宿泊業関係者のほとんどが、
夏になれば、
多少なりとも
宿泊客が戻ってくるのを
心待ちにしていた。

その前まで遡れれば
オリンピックによる
海外からの宿泊客も念頭に
これまでにないような
格別のおもてなし(!)を
準備していたところも
少なくなかっただろう。

このような
次々と見込みが立たなく
なるようなきびしい状況のなかで
今、そしてこれから
なにができるのだろうか。

他の都道府県には
なかなかいけないこともあり、
今回はじめて地元の旅館に
泊まってみたら、
「地元の料理の美味しさを
あらためて知ることができたり、
温泉も空いていて気持ちよかった。
ずっと家にいるしかなかったので
とても気分転換になった。
また来たいと思う。」
などとなれば
どんなにか
いいだろう。

そんな動きが地道に広がる
地域が多くあったり
これから広がっていけば
とてもいいように思うし、
そんな地産地消の指標があれば
ぜひ知りたいと思う。
きっとどこかにあるのではないか。

近所なら日帰りで十分という
ことになるのかもしれないが
それでも宿泊したくなるとすれば
宿泊先でいただく酒こそたまらないということか
朝起きてひと風呂浴びた後の朝食に生きている
よろこびを感じるあたりにあるのだろう。

そして近所の宿泊で一番大切なのは
きっと「何もしない」ことの
醍醐味を心置きなく感じること
なのだと思う。

うちにはそんな余裕もない
というのが大勢であれば
地域の好循環を生み出す契機として
それこそ臨時交付金などの
出番だろう。

前々回取り上げた
臨時交付金の第二次補正予算
の活用事例のなかでは

「44.地域の一店一商品づくりサポート事業
休業要請等に協力いただいている方々に対し、
地元の人材や地元産材を活用するなど、
地域全体の好循環につながる
新たな商品メニューやサービス形態を開発する際に、
奨励金等により支援。」
などがあてはまる。

外からの宿泊客向けの料理の提供でなく
地域の小ネタになるような
地元の人に向けの本当のソウルフードを
手頃な価格で提供してくれるような宿泊施設
があれば、関心を持つ人も一定数いるように思う。

宿泊をするのなら
海外や都市部の人気の場所もいいだろうけれど、
とっておきの通い慣れた旅先が
近所にいくつかあるというように
多くの人々がなれば
それが日常の豊かさというものだと
思うのだが、どうなのだろう。

つなぎ雇用

これまでの仕事を
当分続けられない状況に
なった人々について、
臨時交付金を活用した
「つなぎ雇用」の可能性を
昨日述べた。

つなぎ雇用は、
もちろん正式な名称ではない。
収入や仕事が一時的に途絶えた人が
それらを緊急的にある程度確保する
ために結ばれる臨時の雇用契約ということ
になる。

交付金は単年度ごとの予算になるため
雇用契約は長くてもせいぜい一年といった
短期的なものにならざるを得ない。
基金の場合には、複数年にわたっての
予算執行が認められることが多いので
事実上もう少し長い期間の雇用が
可能な場合もあるが、交付金ではそれよりも
どうしても短くなってしまうことが前提となる。

そのため、期間の定めのない無期雇用に
再就職することを望む人にとってすれば
つなぎ雇用で働くのと並行して、その後の
仕事を探す活動も必要となる。
飲食店を休業中の自営業者など、
元の仕事に復帰することを希望する人に
とっても、つなぎ雇用への従事と
再開に向けた準備との両立が欠かせない。

同時に、つなぎ雇用で働く人にとって、
それが所詮かりそめの仕事にすぎないという
引いたり冷めた気持ちで働くのならば、
必ずや周囲とのあつれきや不和を生み出すことになる。
同様に雇う側にとっては
「雇ってやっている(あげている)」
といった態度がおくびでも現れることになれば
関係は途端にうまくいかなくなり、
仕事も円滑には進まなくなる。

それだけ
つなぎ雇用は
緊急事態だけに認められる
難しい働き方であるという
認識は必要になる。

少なくともつなぎ雇用で働く人々には
公的資金で緊急的に働く機会を提供してもらっている
ことに感謝の気持ちは欠かせないし、
雇う自治体、民間企業、NPOなども
コロナ対策などで業務に忙殺されている状況を
乗り越えるためにいっしょに苦労を分かち合う
一期一会の貴重な人材や仲間として
敬意をもって処遇できるかどうかに
つなぎ雇用の成否はかかっている。

新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金

来週金曜の
7月31日(金)に
総務省統計局「労働力調査」6月分の
基本集計結果が公表になる。
そこではどれくらい
就業者が減っているか、
そして
失業が増えているかが、
まずはポイントになる。

これまで雇用対策としては
雇用維持を最優先に進められてきたが
感染症収束まで相当の時間がかかるという
見通しが広がると、
休業や時間短縮で耐えてきた事業のなかで、
持ちこたえられない場合も
出てくるだろう。その結果、就業者の一部が
失業者へと転じることも少なからず考えられる。

雇用が維持できず、新たに仕事が必要な人が
増えてきたときのために、
雇用調整助成金などによる雇用維持対策を前提に、
すみやかな就業移動を促すミスマッチ対策に加えて、
失業者や非労働力人口などで収入や仕事を必要としている人々や
長期の休業を強いられた雇用者、自営業者、フリーランスなどを対象に
臨時の「つなぎ雇用」の機会創出など、
リーマンショック時や大震災時に機能した基金事業のような
雇用創出対策の検討の必要性を
ここでもこれまで指摘してきた。
https://genda-radio.com/archives/date/2020/06/03

現在、その機能が、この基金事業に代わるものとして
実施されているとすれば、それは内閣府地方創生推進室の所管による
「新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金-脱コロナ協生支援金」だろう。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/rinjikoufukin/index.html

全都道府県、全市区町村を対象に
1兆円が確保された第一次補正予算は
今月から交付が開始されている。
支援事業は
Ⅰ.感染拡大の防止
Ⅱ.雇用の維持と事業の継続
Ⅲ.経済活動の回復
Ⅳ.強靭な経済構造の構築
とされ、雇用関連も対象に含まれている。
臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症への対応として
必要な事業であれば、原則として使途を制限しない、
きわめて自治体の自由度の高い設計となっている。

細かく臨時交付金の取り組み例をみると
「雇用創出・研修実施支援」なども挙げられており、
そこに自治体や関係機関による「つなぎ雇用」も
事実上想定されている。具体的には、
そこでは以下の説明書きが加えられている。

「解雇や雇止め、内定取り消し、就職氷河期世代等
の就労機会を失った方々などに対して、
地方公共団体が一時的な雇用を自ら実施
又は就職サポートを委託するのに必要な経費に充当。
また、これらの方々が、人手不足が深刻でかつ社会的必要性が
高い農林水産業、運送業、宅配、食品スーパー等に就業するため、
感染症対策のステージも十分踏まえながら、
実地やwebでの研修等を行う事業者に対して
必要な経費の一部を支援。」

事例のなかには、個人事業主やフリーランスを支援する事業も
別途含まれ、所管は上記と同じく内閣府地方創生推進室となっている。
今回就業支援が必要な対象に、雇われて働く雇用者以外を含んで含んでいたり、
仕事を探してハローワークに訪れる失業者だけに限られないことを考えると、
就業対策の構えを広く取り、狭い意味での雇用対策や失業対策に限定していないのは、
十分理解できる。

臨時交付金では第二次補正予算として
一次の倍の2兆円が確保されており、
今月が締切となっており、交付は
9月以降が予定されている。

地方自治体は、今後、緊急的な雇用創出が
必要になる事態を想定し、そのための対策として
この臨時交付金を有効活用していくべきだろう。
いいかえれば、ここで自治体の今後に向けた
手腕が問われる事態ともいえるかもしれない。

そして今回の臨時交付金が、緊急的な就業確保の機会となる他、
今後に向けた有益な就業機会の創出策の発見につながることが
期待される。