2020年5月の労働市場(1)

今朝8時30分
総務省統計局「労働力調査」2020年5月分
の基本集計の結果が発表。
4月に比べて失業への影響が
現れ始めている。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c03.html

5月の完全失業者数は197万人(季節調整値)
とギリギリ200万人を下回ったが
4月に比べて19万人増と
3月から4月の6万人増に比べて
増加幅は広がった。
その結果、完全失業率も2.6%から2.9%へと
0.3ポイント上昇している。
一か月で19万人の増加は、
リーマンショック時の2008年11月から12月にかけての
26万人増以来となる。

完全失業者数は、対前年同月では33万人(原数値)増と
こちらもリーマンショックの余波が残っていた
2010年1月の46万人増以来の増加幅となっている。

契約満了や勤め先の都合による非自発的な理由による
失業も、先月より7万人(季節調整値)増えた
(3月から4月は増加せず)。

ただ、今回の結果で最も驚いたのは、
就業者数が6629万人(季節調整値)と、
横ばい、もしくは先月に比べると
ごくわずかだが増えたことだ(4万人増)。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c01.html#c01-10

対前年同月の減少幅は76万人(原数値)と大きいが
それも4月の減少幅の80万人(同上)と同程度
もしくはいくぶん持ち直している。いずれにせよ、
就業機会の受け皿のさらなる底割れは5月時点でも
回避されているようにみえる。

これらの失業者数の増加や横ばいの就業者数を
もたらしていた考えられる背景の一つとして、
4月には非労働力人口として職探しをしていなかった人々から、
5月になって職探しを新たに始めた人が早くも現れていたこと、
すなわち「非労働力人口」から
就業者と完全失業者からなる「労働力人口」へと
移行した人が出始めていた可能性が示唆される。

具体的にはまず非労働力人口は3月から4月にかけて
全体で94万人(季節調整値)増えたが、
4月から5月には21万人(同上)の減少へと転じている。
自粛要請の緩和などを踏まえて、これまでの言葉でいえば
「働き止め」がやや緩和されつつあるのかもしれない。

あわせて労働力調査に4月と5月の両方に回答した人々から
求めた結果によると、4月に非労働力人口だった人々のうち、
翌5月に労働力人口となった割合は3.0%となり、
19年の2.5%や18年の2.3%よりも、
やや高くなっている。

さらに傍証として、本日、
厚生労働省「職業安定業務統計」2020年5月分も
同じく公表されているが、
3月、4月の新規求職申込件数(季節調整値)がそれぞれ
マイナス6.9%、マイナス5.5%と大きく減少していたのに対し、
5月にはプラス4.8%と増加の傾向を見せ始めている。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c04.html

そのことは、新規求人数が5月になって季節調整値では
はやくも増加に転じたにもかかわらず、
結果的に有効求人倍率の1.32から1.20への低下にも
寄与するかたちとなっている。

ただし非労働力人口も全体では短期的に
減少へと転じているが、対前年同月でみると
4月の58万人増(原数値)に続き、
5月も37万人増(同上)と、
就業にブレーキは、なおかかり続けている。

特に、罹患をおそれた働き止めの兆しが
当初から表れていた65歳以上の非労働力人口は、
5月には前年同月に比べて20万人増(原数値)と拡大が続いている。
一方で、4月ではその幅が35万人だったことと比べると、
高齢者のあいだでも、罹患のリスクを抱えながら働き始めようと
する人々がすこしずつ出始めているようにも見て取れる。

さらに、学生アルバイトも多い15~24歳や
氷河期世代を含む35~44歳女性などでも
非労働力人口が、4月に引き続き5月も
前年同月に比べて増えている状況は変わらない。

全体として、緊急事態宣言の解除を受け、
就業に進みつつある人々が出始め、
その結果として、失業者も増え始める一方で、
依然として働くことに慎重であったり、まだ
断念している人々も少なからず混在しているのが
5月時点の状況といえそうだ。

5月の状況をさらに詳しく見ていく。

電話

今日は夕方から
就職氷河期世代支援
に向けた全国プラットフォーム会議
というのに参加。
もちろんオンライン。

時間が短く、
参加者は2分程度の発言を
予め求められる。

順番が回ってくる直前、
音声も画像もつながらなくなる。
さてどうしたものかと思っていると
事務局から電話がかかってくる。

結局、電話を通じて発言し、それを
事務局のマイクで拾ってもらい、
なんとか難を逃れたと思う(たぶん)。
事務局の咄嗟の判断と対応に感謝。
ちょっと無責任だけど、
こういう機転、なんか好きだ。
まさにブリコラージュ。
電話、バンザイ。

結局一度、再起動したら、
元に回復しました。

ちなみに、2分での発言用に準備した
原稿は次のとおり。

感染症の拡大による就職氷河期世代への逆風の一つに、
性別による役割分業の復活の兆しがあります。
感染爆発を避けるための学校一斉休校は、
保護者にも課題を突き付けました。
子どもに寄り添うため、母親は休業したり、
仕事を辞めざる得なくなりました。
今後状況が長引けば、家庭は女性が守るもの
という役割分業が再燃するかもしれません。

人口のうち仕事をしている割合を示す労働力人口比率が、
30代、40代の女性では家事や育児で仕事を離れる人が
多くなるため、低くなりがちです。
年齢別形状からM字カーブと呼ばれたその傾向は、
解消する方向に進んでいました。
しかし資料のように、就職氷河期世代を含む
35~44歳既婚女性では、労働力人口比率が下落し始めています。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_hyogaki_shien/suishin_platform/dai2/siryou8.pdf

氷河期世代の女性には、卒業後就職に苦労し、
結婚後の世帯収入も限られ、非正規雇用で
長年働いてきた人々がたくさんいます。
同時に経験を積み、正社員ではなくても、
職場で頼りにされる存在でもありました。
人手不足を背景とした人材確保や、
政府による就職氷河期世代支援プログラムも、
本格的に実行される矢先、感染症がやってきました。

感染症の拡大前までは、女性の正社員化も進み、
男女の固定的な役割分業が氷河期世代を境に
終焉へと向かうことが期待されました。
しかし、多くの女性は家庭に戻らざるを得ず、
その期待が実現できるかどうか、
今ギリギリの局面にあります。

むずかしい状況が続きますが、
3年間で正規雇用者30万人実現の目標が
達成されるよう、引き続き着実な政策の実施
をお願いしたいと思います。

対面

昨日は
実にひさしぶりの
対面形式の会議。
調べてみると
対面は3月末以来のようだ。

少人数ではあったが、
イスとイスの距離を十分離し、
入り口・出口は開け放し、
もちろん全員マスク着用。

議事の司会・進行の役割を
およそ2時間担当する。
結構、みなさん話をされる。
たくさんご協力もいただく。

それが
終わったとたん、
思いがけず
ズドンと疲れが出る。

そのときは
なんでこんなに疲れているんだろう
と思ったが、
後から考えると
久しぶりの対面での会議だったから
なんだろうなと
思いなおす。

長い期間、
すっと話しをしてこなかった人たちの
たいへんさが、
ほんの少しだけわかる
気がした。

『地域の危機・釜石の対応(7)』

今回の釜石での
調査、イベント、ヒアリングなどを通じ、
実感したことがある。
それは釜石の地では、
危機への向き合い方とでもいうべきものが、
人々に脈々と受け継がれているということだ。

津波被害、艦砲射撃、公害問題、鉄鋼不況、
集団移転、漁業不振、事業閉鎖、病院問題、
山林被害、東日本大震災等など。
釜石には多種多様な危機に重ね重ね直面してきた歴史がある。
それらの歴史からの経験や教訓を踏まえた上で、
どんなことも軽視はせず、
かといって過度に深刻にもならず、
柔軟な姿勢を保持したかたちで
危機に今も対峙し続けている。

そのときの姿勢とは、
多層的に迫り来る危機を
丸ごと束にして受け止めながら、
小刻みにステップを踏むような動きを続けつつ、
時間をかけて押し返していくといったものだ。

一つずつ課題を即座に解決するには、
地域はいかにもコマが足りない。
反対に束にしてじっくり対処することで
相乗効果が見込めたりもする。
危機が多層ならば、対応も総合化させていく。
総合化がただの大風呂敷とならぬよう、
記憶の継承を含めたリアルな小ネタは欠かせない。

そんな一連の動きは、何度も訪れながら、
危機対応をテーマとしたことで、
初めて気づかされたことだった。
それが同時進行の危機への、
静学的なリスク管理とは異なる、
いかにも釜石らしい
ダイナミックな実践知としての対応なのだ。

はたしてその実践が今後どんな実を結ぶのか。
私たちはこれからも見続けていく。

読者には、本書の釜石の実例から、
多くの地域が直面する危機に対応する
ヒントを見出していただけると思う。

東大社研・中村尚史・玄田有史編、東京大学出版会
『地域の危機・釜石の対応 多層化する構造』より
http://www.utp.or.jp/book/b508909.html
2020年6月30日発売

丸子

今シーズン入団した
ベネズエラ出身の
背番号10の
選手の名前が
どうしても
思い出せない。
記憶できない。

そこで考えた結果、
日曜夕方6時半からの
アニメ番組の
むかしの主題歌から
おぼえることにした。

ピー○ラ
ビー○ラ
パッパパラパ

と思ったら
あいだの○が
ネだったか、
エだったか、
思い出せない。

レだった。

10の0(レー)か。

音響

ラジオで
プロ野球中継を
聴いていると
ボールがグラブに収まる音や
打球音が
格段によく耳に響く。

必要なのは
しゃべらないで伝える
実況力と解説力なのか。

おそらくそれは
放送事故にならない程度の
間合いの芸
だろう。

今だけの楽しみ。

『地域の危機・釜石の対応(6)』

未来に希望をつなぎ、多層的に訪れる危機群に対応するには、
地域の関係者が自ら小ネタを語っていくことが求められる。
それはどうすれば可能となるのか。
特に話すことなどないと感じている人々は、
どうすればよいのか。

どんなささいなことからも小ネタは生まれる。
むしろささいなことこそ面白い。
取るに足らないと決めつけず、
知っていること、経験してきたことを、
即興で話したり、訊きあったりする。
ウケもオチもなくていい。
クスッとすることがあったなら、
とりとめなく笑い合う。
それをきっかけに、話題は思いもよらず、つながっていく 。

小ネタがあるところには人々のたしかな営みがある。
自然と耳を傾けたくなる小ネタには、
そこで暮らすことの悦びや哀しみがある。
それは活性化とは異なる地域に生きることの
リアルな価値だ。

人口の多いほうが話題は生じやすいかもしれないが、
自動的に生まれるわけでもない。
人が減っても、一人ひとりが日常を大切にし、
たまに誰かに語りたくなる何かがあれば、
小ネタは尽きない。

小ネタに事欠かない場所には、
たくましさ、潔さ、愛おしさがある。
そんな地域がこれからも生き残るだろう。

(続く)

東大社研・中村尚史・玄田有史編、東京大学出版会
『地域の危機・釜石の対応 多層化する構造』より
http://www.utp.or.jp/book/b508909.html
2020年6月30日発売

相談

ずいぶん
前だったと思う
のだけれど
大学の学生相談室で
働いていらっしゃる方の会に
呼んでいただき、
お話をさせていただいたことがある。

終わった後の
立ち話か何かで
「最近『五月病』はどうなっているんですか」
とうかがうと
「五月病は、なくなりました」
と言われた。
「え?」と
驚くと
「年がら年中病になりました」
というのが、そのときのオチだった。

入学や入社などで
新しい環境に身を置かれた人のなかには
なかなか馴染めない場合もあるだろう。
さらに今回、直接会って話を聞いてくれたり、
励ましてもらったり、励ましあったりということが
できない状態がまだ続いている。

オンラインでの授業、研修、コミュニケーションなどでも
どこか疎外感があったり、うまく溶け込めないこともあるだろう。
次第にオンラインにも参加できなくなって、そのまま
連絡が取れなくなっている場合もあるのかもしれない。

孤立しているという事実が、
実際に対面の機会ができたときに
その場にいないことで
はじめて判明したというのは、
なんとか避けたい事態だろう。

会社の人事や学校の学生担当の方などは
いろいろと個別にアプローチを
努力されていることと思うが、
直接会えないことで、
もどかしい思いをされているのではないか。

最近、全国の地域若者サポートステーションなどでも
オンラインでの相談にも力を入れているという。
遠距離で交通費がかかり、サポステにまで
行けなかった人には相談のチャンスが広がったことは
朗報だと思う。

一方、相談では、対面には対面の良さがやはりある。
以前に比べれば、相談の場所や機会、ツールも広がっている。
しばらくは限られた時間になるかもしれないが、
対面で直接悩みや不安を聞いてもらえる機会は増えてくる。

疎外感や孤独感に苛まれている方でも、どこかで
相性のいい話し相手や相談相手は、かならずいるので
ドアをノックしてほしいと思う。